せっかく用意したおせち料理。ところが正月も2日になると「飽きた」「違う味が欲しい」、という声も聞こえてくるのではないでしょうか。
おせち料理の準備を、「どうせ全部食べられないかも……」という懸念があって疎遠になっている、という方もいらっしゃるかもしれません。
うちでの正月2日のいただき方をご紹介します。ご参考になれば幸いです。
盛り付けを変える
お重ではなく、大皿や、小鉢に盛り付けます。(日光が入り過ぎて写真が白くてごめんなさい……)
普段は棚の奥に眠っているような豪華な大皿や、小鉢、大ぶりの湯飲みセット、ありませんか?
ぜひ、活用しましょう。うちでは、この時とばかり総動員しています。
この、盛り付けの際に、少し手を加えています。
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温かいものは温かくしていただく
「おせち料理は冷えているから苦手」という方もいらっしゃいます。これはお重に詰めるために冷めた状態になってるので、本来温かくしたほうがおいしいお品は、ぜひ温めて、大皿や小鉢に盛り付けましょう。
大皿&小鉢の良いところは、熱いものを気を遣わずに盛り付けることが出来る点です。
ちなみに写真の「小鉢」は、実は湯飲みです。
お重に詰める際は、熱いものと冷たいものを同居するわけにはいきませんので、全て同じ温度でいただくのも、飽きがくる一つの要因ではないかと思います。
焼き物はアルミホイルをかぶせてオーブンやグリルで温めて、煮物はお鍋で温めて、温かいもの、冷たいもの、それぞれ小鉢に、もしくは大皿にどーんと盛り付けましょう。
よく味が染みたお品が、よりいっそう、美味しくいただけますよ。
温めた筑前煮を、大皿にどーんと盛り付けて、きぬさやをあしらうと、とても豪華で、華やかです。
普段の食卓の際にも、筑前煮は、このようにされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。お正月も、この盛り付けは、全然ありですよ。
ちょっとだけ丁寧に盛り付ける
お皿に盛り付ける際、普段しないような「おめかし」をすると、気分がアガります。
写真では笹と南天を使っていますが、安価な裏白、お正月用のバランやアルミカップでももちろん構いません。
いつもの百均のお皿たちも、ハレの日はえぇ感じにドレスアップして活躍しますよ。
葉物野菜を使ってアレンジする
おせち料理はもともと、正月の火を神聖なものとして迎え、煮炊きすることを避けるために、昔ながらの日持ちするメニューが使われています。そのため、緑色の生野菜を摂ることがありません。
また、鍋料理に傾きがちな年末のメニューからも、そろそろ生野菜が恋しくなっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
うちでは、五色なますや、酢れんこん、菊花かぶといった、なますや酢の物メニューたちを、ゴイクン(生春巻き)にして、スイートチリソースにつけていただいています。
生春巻き&スイートチリソースの懐は深いです。おせち料理は、酢の物メニューがいくつもあるため、酢の物好きのご家庭でも余りがちになりますが、これらがどれも、美味しくいただけますよ。簡単ですが、手順をご紹介します。
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1スイートチリソースを用意しておきます。
もちろん市販のものでも構いません。
ご紹介しているスイートチリソースのレシピがご参考になれば幸いですが、「そんな大量に要らん」「ナンプラーがない」という方は、下記材料を鍋かフライパンに入れて、弱火でかきまぜながら、とろみがつくまで加熱していただくと、スイートチリソースが出来上がります。
1~2人分
- 水 150ml
- 酒、酢、砂糖 各大さじ1
- しょうゆ 小さじ2
- 鶏ガラスープの素、豆板醤、にんにくすりおろし、片栗粉 小さじ1
- 塩 小さじ1/3
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2ライスペーパーをぬるま湯につけて、クリアファイルくらいの硬さになったら、

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32~3cm程度に刻んだ、なますや酢の物、たんぱく質な具材、あれば水菜やフリルレタス、お好みで香菜(パクチー)を乗せます。
【たんぱく質な具材例】えびの旨煮(殻と頭を取って)/かまぼこ/生ハム/薄く切ったハム/サーモン/チーズ/クリームチーズ
なますや酢の物たちはライスペーパーの1/4くらいまでに乗る量にしましょう。水菜やフリルレタスは横からはみ出すくらいがキレイに仕上がります。
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4くるんと巻きます。

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54~5cm(指3本分程度)の長さに切って出来上がりです。盛り付けて、スイートチリソースを付けてどうぞ。

黒豆はデザートとしていただきます
うちでは、黒豆は赤ワインで炊きますので、2日目からはクリームチーズ、ヨーグルトやバニラアイスクリームと和えて、デザートとしていただいています。サワークリームやホイップクリームも、とても合いました。
ここでは、一番安価で栄養価も高く、幅広い方のお口に合う、ブロックタイプのクリームチーズとの和え方をご紹介します。
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1黒豆の赤ワイン煮は、ざるに上げて、軽く汁気を切っておきます。その間に、

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2クリームチーズを2cm角程度の大きさに切ります。
写真はkiriクリームチーズのブロックタイプを4等分しています。
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3軽く汁気を切った黒豆、切ったクリームチーズを和えて出来上がりです。
ガラスの器に盛り付けるとキレイです。
甘さ控えめで、ほんのり赤ワインの香りがする黒豆に、クリームチーズのコクと酸味が加わり、とてもおいしいデザートになります。
酒飲みで甘いものが苦手な私ですが、これはお酒が入った後のデザートとして、おいしくいただいています。
ここ近年は、クリームチーズもろとも無糖ヨーグルトにダイブして、ブランデー、もしくは、クレーム・ド・カシスを少し加えてですね……。
赤ワインとカシスの相性は抜群です。余った赤ワイン120mlをよく冷やし、クレーム・ド・カシス大さじ2を加えると、それはおいしい一品(カーディナル)が出来上がります。
普段ワインは飲まず、料理にしか使わない。年末年始のローストビーフや煮込み料理にしか使わず、どうしたものか……、という方は、もしアルコールを嗜む方であれば、クレーム・ド・カシスとのカクテルをおすすめします。
ただし、クレーム・ド・カシスが逸品のため、ヨーグルトやアイスクリームなどのスイーツとの相性も良いので、余計にアルコールにハマるという危険性がありますので、その点は十二分にご留意くださいませ。
なますで野菜たっぷり 中華風あんかけパスタ
年始におせち料理をお召し上がりになるご家庭なら、年末年始の期間に最も縁遠いメニューのひとつが、パスタではないでしょうか。
該当する場合、お正月から年始、特にランチ時にパスタを採用すると、かなりウケが良いです。「あ~パスタやぁ~あぁぁあ」という感じです。
なますや酢の物は、鶏ガラスープで火を通し、片栗粉などでとろみをつけると、野菜たっぷりの中華風あんかけパスタになります。
名古屋風のピリ辛版はまた改めて書きます。ここでは、ごちそう疲れに優しい味の、ご飯あんかけにもできるレシピをご紹介します。
1人分
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1片栗粉以外の材料を鍋に入れて、ふたをして弱火にかけ、沸騰させます。
並行してスパゲッティはゆでておきましょう。
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2沸騰したら、味見をし、水(分量外・小さじ2)で溶いた片栗粉を加え、とろみをつけます。もし余ったきぬさや、さやいんげんなどの青物もあれば、沸騰してから加えて、ひと煮立ちさせてから片栗粉を加えるとよいです。
片栗粉を加える前に味見をします。
あくまでソースですので、少し濃い目に仕上げます。味が物足りないようなら、なますの漬け汁で調整します。濃過ぎるようなら、パスタのゆで汁で調整します。
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3ゆで上がったスパゲッティにかけます。
混ぜながらいただきます。
筑前煮で野菜たっぷりボリュームグラタン
筑前煮はアレンジがききやすいメニューのひとつですが、その中でも簡単・老若男女OK・大量消費可のアレンジの代表格が、グラタンやと思います。
「うぇぇえー煮物にホワイトソースとかキモーないわー」そういう方もいらっしゃると思います。
煮物をグラタンにする際のホワイトソースには、バターではなくサラダ油、牛乳だけではなく煮汁やだし汁を使うと、ホワイトソースとしては、かなりあっさりとしますが、仕上がりをいただく際には、とてもバランス良く仕上がります。
2~3人分
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1サラダ油と薄力粉をヘラでかき混ぜながら弱火にかけ、ダマがなくなり練れる状態にします。牛乳を3回程度に分けて加えて練り、筑前煮の煮汁、だし汁も加えて練ります。
並行して筑前煮は温めておきましょう。
ホワイトソースは、「ほんのり塩味を感じる程度の薄味」に仕上げます。
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2耐熱容器に温めた筑前煮を入れ、手順1のホワイトソースを上からかけて、230℃のオーブンで焦げ目が付くまで10分ほど焼きます。
チーズはクドくなりがちですので、ここでは加えずに焼き、食卓で取り分けて、各々でお好みで粉チーズを振りかけるとよいです。
直火→オーブン→食卓に出せる鍋やフライパンがあれば、筑前煮を温めてホワイトソースIN→オーブン→食卓までいけますので便利です。
以上です。またアップデートします。
いくつか書きましたが、おせち料理は少し工夫すると、がらっと趣が変わり、見た目も味も、とても美味しくいただけます。
ポイントは次のようなことでしょうか。
- お重ではなく、大皿や、小鉢に盛り付けます。普段は棚の奥に眠っているような豪華な大皿や、小鉢、大ぶりの湯飲みセットが活躍します。
- 温かいものは、きちんと温めて、それぞれ小鉢に、もしくは大皿にどーんと盛り付けましょう。
- 安価な裏白、お正月用のバランやアルミカップなどを使い、ちょっとだけ丁寧に盛り付けましょう。
- 余りがちな酢の物メニューのアレンジ・リメイクには、この時期疎遠になりがちな、葉物野菜を使って、生春巻きはいかがでしょうか。生春巻き&スイートチリソースの懐は深いです。
- 黒豆は赤ワインで炊くと、おかずとしてはもちろん、デザートとしてもおいしくいただけます。
おせち料理、最後まで美味しくいただきましょう。
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