お弁当についてです。
お弁当は、全部手作りである必要はありません。手を抜いたら許されないと自分自身に呪いをかける必要もありません。毎日SNSに上げる必要もありません。
大切なのは、無理をしないで、おいしく、健康にいただくことです。冷凍食品や、お惣菜屋さんのおかずなどを使っても準備できるよう、献立の考え方や傷まない工夫、詰め方などについてご紹介します。
お弁当箱のサイズは1食に必要なエネルギー量
食べる人に適したサイズは、1食に必要なエネルギー量(kcal)= お弁当箱の容量(ml)が目安です。
年齢や身体活動レベル、ライフスタイルによって違います。
サイズの目安を以下にまとめました。普段の身体活動レベルが普通の人は●、低い人は▼、高い人は▲が目安です。
身体活動レベル
- 高い▲:移動や立位の多い仕事の従事者。あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている。
- 普通●:座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買い物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む。
- 低い▼:生活の大部分が座位で、静的な活動が中心。
(単位:ml = kcal)
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
3~5歳 | ●430 | ●420 |
6~7歳 | ●520(▼450~▲580) | ●480(▼420~▲550) |
8~9歳 | ●620(▼550~▲700) | ●570(▼500~▲650) |
10~11歳 | ●750(▼650~▲820) | ●700(▼620~▲780) |
12~14歳 | ●870(▼780~▲960) | ●800(▼720~▲900) |
15~17歳 | ●930(▼850~▲1050) | ●770(▼680~▲850) |
18~29歳 | ●880(▼780~▲1010) | ●670(▼580~▲750) |
30~49歳 | ●900(▼780~▲1010) | ●680(▼590~▲760) |
50~64歳 | ●870(▼750~▲960) | ●650(▼570~▲740) |
65~74歳 | ●800(▼690~▲910) | ●620(▼520~▲700) |
75歳以上 | ●700(▼600~▲700) | ●550(▼480~▲550) |
参照元:「3・1・2弁当箱法」 – NPO法人 食生態学実践フォーラム
献立の考え方は主食3+主菜1+副菜2が目安
半分がご飯などの主食、もう半分は主菜1;副菜2で詰めるとバランスが良いです。
たんぱく質、脂質、炭水化物(糖質)、ミネラル、ビタミン、この5大栄養素をバランスよく摂るように献立を考えるのが良いです。これは「色」で構築すると考えやすいです。
主食ご飯の白+おかずは茶・緑・赤(またはオレンジ)・黄・黒の5色が基本です。肉・魚などの主菜の茶、葉野菜の緑、いも類の黄、トマトやにんじんの赤(またはオレンジ)、ひじきなどの黒、というように考えます。余裕があれば白・紫のおかずを足すとさらに華やかです。副菜には洗っただけ、切っただけのカット野菜や、のり、ごまなどの乾物も含みます。
作り置きは1週間で3品程度でも充分
お弁当屋さんのように、主菜1品を日替わり、副菜は固定で使い回す、これが続けやすい方法の一つです。例えば、唐揚げ弁当とハンバーグ弁当では、副菜が全く同じだとしても、全然違うメニューを食べたという満足感が得られます。主菜は冷凍食品におまかせ、副菜3品前後を作り置きする、これでも充分です。
もちろん逆でも構いません。私のように野菜や海藻が好き、昼は軽めで、夜にたっぷりゆっくり食べるという方は、副菜を主に作り置きし、お弁当は主菜は固定で1品、副菜を色とりどりに日替わりにする、という方法でも栄養バランスが良いです。
傷みにくい工夫
作り置きおかずは温め直さない
作り置きのおかずは、お弁当箱に詰める前に温め直しません。作り置きおかずは、温め直さず冷蔵庫から出した冷たいままの状態でお弁当箱に詰めます。冷凍食品によっては、冷凍のまま詰めても構わないおかずがありますが、その通り、解凍せず冷凍のまま詰めましょう。油分が固まっている場合がありますが、いただく頃にはちょうどいい塩梅になっています。
職場などに電子レンジがある場合は、食べる直前に温めるとよいです。
朝調理したものは冷ましてから詰める
しっかりと冷ましてから詰めます。温かいものと冷たいものを一緒に詰めると、雑菌がとても繁殖しやすい温度になってしまいます。また、余分な水分が出やすくなります。
炊きたてのごはんや作りたての玉子焼き、電子レンジなどで当日の朝温めたものを詰める場合は、しっかりと冷ましてからお弁当箱に詰めましょう。作り置きおかずは、これらがしっかりと冷めてから詰めるとよいです。
詰める際にお箸やスプーンを使い回さない
保存容器に入ったおかずを清潔に保つために、お箸はおかずごとに使い分ける、もしくは都度お箸を洗って拭いてから使いましょう。
おにぎりを握る時などはラップや使い捨て手袋をつけて握ることをおすすめします。
手で直接詰める場合は、使い捨て手袋をつけ、おかずごとに指先をきれいに洗って拭いてから詰めることをおすすめします。
お弁当はできるだけ涼しい場所で保管
お子さんが運動会や部活などでお弁当を持って行くような屋外の場合、早朝は日陰なのに昼近くになると直射日光になっている、という場所もありますので要注意です。
大人の方は、車の中や直射日光が当たる場所は避けましょう。保温タイプの弁当箱でない場合、もし職場に冷蔵庫があれば、冷蔵庫に入れておくと安心です。
お弁当箱は清潔に
お弁当箱のパッキンは汚れが残りやすく、雑菌がたまりやすいので、使ったあとは本体とパッキンを分解してきれいに洗い、週1回はキッチン用漂白剤で漬け置き洗いをしましょう。
曲げわっぱや木製のお弁当箱は、カビが生えないように、しっかりと乾かしてから使いましょう。しまう時も同様です。
お弁当を詰める際は、必ずアルコール消毒をしてから詰めましょう。ただし、漆塗りの重箱に詰める場合は、漆はアルコール厳禁ですので避けましょう。
お弁当の詰め方
丸型
まずは、一番扱いづらい丸型のお弁当箱を使ってご説明します。小判型、長方形とも同じ詰め方です。
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1主食のご飯をお弁当箱の半分に詰めます。この時、高さが斜めになるように傾斜をつけます。
私がいつもいただいている最強飯や雑穀米の場合は、冷蔵庫から出してすぐの状態でもパラパラですので、使いやすいです。
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2ご飯の1/3量を目安に主菜を詰めます。主食と主菜を置くことで、お弁当が安定します。
一番目立つ場所に置くとよいです。
写真はひと口照り焼きチキンです。
主菜はご飯とよく合う味付けで、汁気を吸ってもおいしいおかずがおすすめです。
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3仕切り、カップを置きます。
写真の仕切りは大葉、カップは海苔で出来た「のりカップ」を使っています。
のりカップは国産焼きのりを使用し、おかずをいれたまま食べられる画期的な商品です。食べた後は、ゴミもでません。
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4おひたしなど水気の多いものを詰める際は、刻み昆布やかつお節など、乾物を敷いてから詰めるのがおすすめです。
乾物を敷くと、余分な水分を吸ってくれるだけではなく、乾物の旨味がおかずに加わります。
写真は、のりカップの上にかつお節を敷き、かぶの浅漬けを詰めています。
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5仕切りを敷いてから、さらに副菜を詰めます。この時、ご飯やおかずに味が移ってほしくないおかずを、ご飯より遠くに詰めるとよいです。
写真は、キャロット・ラペです。
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6ご飯に味移りがするとおいしい、佃煮や煮物などの副菜を、ご飯に添わせて詰めます。
写真はひじきたっぷり炒り高野です。
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7これで完成です。これでも構いませんが、暖色が茶色とオレンジ色だけの場合は、赤色を添えると、さらに彩りが鮮やかなります。
写真のようにミニトマトを添える場合は、ヘタと実の間に雑菌が溜まっていますので、必ずヘタを取って、よく洗って水気を拭いてから詰めましょう。
小判型
小判型も同様の詰め方です。
写真はチキンミートボール、そぼろ肉じゃが、ひじきたっぷり炒り高野、大葉、ミニトマトを詰めています。
のっけ弁
8割ほどの面積にご飯を浅めに盛り、上から具材を乗せます。
写真はのっけ弁のおかずにパプリカと豚こまのしょうゆ炒め、副菜にズッキーニの焼きマリネ、切干大根のごまマヨサラダ、いんげんのごまマヨ和えを詰めています。
お弁当のおかず 色別INDEX & のっけ弁の具材
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