冷蔵5日
今日は、筑前煮のレシピをご紹介します。
たっぷりの根菜を、鶏もも肉の旨味で煮含めた、滋味あふれる一品です。
温かくても、冷めても、とてもおいしくいただけるので、普段のおかずやお弁当にはもちろん、おせち料理や、ハレの日のおもてなしにも大活躍します。
飾り切りをして、お重に詰めて、きぬさやをあしらうと、とても豪華に仕上がります。
レシピについて
鶏肉を炒めて引き出した旨味で、根菜を炒め煮にします。煮物は、冷める際に味が染み込みますので、具材が柔らかくなったら一旦火を止めて冷まし、もう一度火を入れて仕上げます。
以前よりご紹介しているレシピを改めて整理しました。
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材料
4~5人分
- 鶏もも肉 1枚(約300g)
- 干し椎茸 4~5枚
- 里芋 4~5個(約100g)
- ごぼう 1/2本(約150g)
- れんこん 1節(約150g)
- にんじん 1/2本(約100g)
- 水煮たけのこ 約150g
- こんにゃく 1/2枚(約120g)
- くわい(あれば) 6~8個(約100g)
- きぬさや 8~10枚程度
- ■鶏肉の下ごしらえ用
- 酒 小さじ1(5ml)
- みりん 小さじ1(5ml)
- しょうゆ 小さじ1(5ml)
- ■調味料
- サラダ油 小さじ2(10ml)
- だし汁 500ml
- (または) 水500ml+粉末だしの素小さじ1
- 干し椎茸の戻し汁 100ml
- 酒 大さじ2(30ml)
- 砂糖 小さじ4
- みりん 大さじ2(30ml)
- しょうゆ 大さじ2(30ml)
6~7人分
- 鶏もも肉 小2枚または大1+1/2枚(約450g)
- 干し椎茸 6~7枚
- 里芋 6~7個(約150g)
- ごぼう 2/3本(約230g)
- れんこん 2節~大1節(約230g)
- にんじん 1+1/2本~大1本(約150g)
- 水煮たけのこ 約230g
- こんにゃく 1枚(約250g)
- くわい(あれば) 9~12個(約150g)
- きぬさや 12~14枚程度
- ■鶏肉の下ごしらえ用
- 酒 小さじ1+1/2(8ml)
- みりん 小さじ1+1/2(8ml)
- しょうゆ 小さじ1+1/2(8ml)
- ■調味料
- サラダ油 大さじ1(15ml)
- だし汁 750ml
- (または) 水750ml+粉末だしの素小さじ1+1/2
- 干し椎茸の戻し汁 150ml
- 酒 大さじ3(45ml)
- 砂糖 大さじ2
- みりん 大さじ3(45ml)
- しょうゆ 大さじ3(45ml)
作り方
step
1干し椎茸を戻します。
干し椎茸はさっと洗ってゴミを落とし、軸を下にして、かぶる程度の水につけて戻します。上からラップで覆うと、浮かずに確実に戻すことができます。
水につけて冷蔵庫で12時間~24時間(一昼夜)ほどかけて戻すと、中までふっくらと戻り、かつ、歯ごたえもあり、そして良い出汁も出て、一番おいしく仕上がります。
時間がない場合や、思い立って作る場合は、耐熱容器に干し椎茸と、干し椎茸がかぶる程度の水とひとつまみ(小さじ1/6~1/8目安)の砂糖を入れてラップをし、電子レンジ600Wで1分ほど様子をみながら50度程度の温度まで加熱し、冷めるまで置いておくとよいです。その間に、次以降の手順に進むと良いです。
step
2鶏肉は、ひと口大に切ります。
鶏肉は、水洗いして水気を拭いてから調理すると、臭みが取れます。
鶏もも肉はキッチンバサミを使うと切りやすいです。
血合いや黄色い脂がある場合は、雑味が出てしまいますので、取り除くことをおすすめします。
白い筋がある場合は、取り除いておきましょう。加熱すると硬くなります。
step
3丈夫な袋またはボウルに、鶏肉の下ごしらえ用の材料と手順2の鶏もも肉を入れ、よくもみ込み、冷蔵庫で30分以上ねかせます。
ねかせている間に、根菜の下ごしらえをするとよいです。
step
4こんにゃくは手綱(たづな)にし、塩(分量外:大さじ1/2)をふりかけて、手綱がほどけないように軽くもみ、10分ほど置きます。
それぞれの具材は、飾り切りでご紹介します。
こんにゃくを飾り切りしない場合は、ひと口大に手でちぎるか、スプーンでくり抜くとよいです。おろし器やスライサーの反対側に付いているギザギザもおすすめです。
塩でもんで置いている間に、お湯をわかすとよいです。4人分500ml目安です。
step
5よく沸騰したお湯に、こんにゃくの水分を切って入れ、2~3分間ほど中火でゆでて、ざるにあげておきます。
step
6れんこんは花れんこんにし、水に2~3分さらします。穴と穴の間に縦に包丁を入れて、V字型に切り込みを入れていき、皮をむきながら丸く整え、7mm~1cmの厚さに切りそろえます。
step
7にんじんは、ねじり梅にします。1.5cm幅(人さし指の幅目安)に切り、梅型で抜き、花びらを区切るように、切り込みを入れていきます。
にんじんは意外に火が通りやすく、煮くずれしやすいため、飾り切りにする場合は、1.5cm程度の厚みをもたせるようにするとよいです。
ひと口大に切る場合、普段にんじんの皮をむかないという方も、筑前煮の際は、ぜひ皮をむきましょう。皮付きのままですと、煮込むと薄く皮がはがれてしまい、中途半端にぶら下がったり、他の具材にくっついたりして、気持ち悪い仕上がりになってしまいます。
step
8くわいは底と皮を厚めに切り落とし、亀甲に切ります。
step
9里芋は手に酢をつけて皮をむき、亀甲に切ります。
里芋は、泥を洗い落とした後に、よく乾かしておいてから皮をむくと、すべりにくく、むきやすいです。皮をむく際は、手に酢をつけて皮をむくと、かゆみが和らぎます。
step
10くわいと里芋は、塩(分量外:小さじ1)をふりかけて、たっぷりの沸騰させたお湯に入れ、再び沸騰したら4~5分ほどゆでます。ゆで上がったら、ざるにあけておきます。
これを「ゆでこぼし」といいます。
くわいや里芋はゆでこぼすことで、ぬめりや土臭みを取ります。また、味がしみ込みやすくなりますので、控えめの調味料でも、しっかりと味を含ませることができます。
step
11たけのこはひと口大に切ります。穂先は末広切りにするとよいです。
末広切りの詳しい切り方は、こちらのページにてご紹介しています。
step
12ごぼうは、たわしなどで泥を洗い落とします。皮はむきません。根元の硬い部分は切り落とし、皮ごと7mm厚さ(人差し指の1/2幅目安)、3~4cm長さ(指2本分の幅目安)の斜め切りにし、水に2~3分さらします。
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13戻した干し椎茸は、石づきを切り落とします。大きいものは半分に切るとよいです。
step
14きぬさやはヘタと筋を取って矢羽根に切り、塩ゆでして水に放ち、ざるにあげておきます。
塩ゆでは、4人分でお湯400ml+塩小さじ1(分量外)が目安です。
長い間水に浸けていると、栄養が抜けたり、色が黒ずんできますので、早めにざるにあけるようにしましょう。この時点で、水気を切ってラップに包み、密閉容器に入れると、冷蔵庫で3日間ほど保存できます。
step
15鍋かフライパンに、サラダ油をひき中火にかけて熱し、手順3の鶏肉を漬け汁ごと加えて炒めます。鶏肉の表面が白くなったら、取り出しておきます。
この時点では、完全に火が通る必要はありません。鶏肉の旨味を油に移す程度で充分です。
鶏肉は火を通しすぎると硬くなりますので、先に炒めて取り出しておきます。鶏肉の旨味を引き出しておき、他の野菜とだし汁を加えて煮込み、最後の味付けの際に戻し入れることで、それぞれの旨味が活きた仕上がりになります。
step
16手順15のフライパンを再び中火にかけ、下ごしらえをした具材を加えて混ぜ、油を回します。
にんじんは意外に火が通りやすく、煮くずれしやすいので、ねじり梅の形を崩したくない場合は、手順19で鶏肉と一緒に加えるとよいです。
step
17具材全体に油が行き渡ったら、だし汁と干し椎茸の戻し汁を入れます。アクが浮いてくるようでしたら、取り除きましょう。
step
18沸騰したら酒、砂糖を加えて全体になじませて、落としぶたか、アク取りシートを上からかぶせ、鍋のふたを少しずらしてかぶせ、弱めの中火で10分ほど煮ます。
まず、酒と砂糖だけで煮ます。酒は具材の臭みを飛ばして旨味を引き出します。砂糖は具材を柔らかくする働きがあること、また、しょうゆよりも分子が大きいことから、しょうゆより先に砂糖だけで煮ることで、砂糖控えめでも、仕上がりの甘味がきちんと引き立ちます。
step
19落としぶたを取り、手順15の鶏肉、みりん、しょうゆを加え、全体になじませます。
アク取りシートを被せている場合、全体のアクを拭っておくとよいです。
step
20再び落としぶたをして、鍋のふたを少しずらしてかぶせ、7~10分ほど煮て、具材が柔らかくなったら火を止めます。落としぶたを取り除き、ふたをして、そのまま2~3時間ほど置いて、味を含ませます。
アク取りシートを使う場合、上から軽く押して、具材に密着させるようにするとよいです。
沸騰している間は、煮汁のかさが多く見えます。また、煮汁は冷める間に具材にしみ込むこと、あまり火を通し過ぎるとにんじんや里芋が崩れてしまいますので、具材が柔らかくなったら火を止めましょう。
step
21常温まで完全に冷めたら、再び弱めの中火にかけます。味見をして、お好みの甘辛さと濃さになったら、火を止めます。
煮物は、冷める際に味が染み込みます。具材が柔らかくなったら一旦火を止めて冷ますことで、しっかりと味を含ませ、それからもう一度火を入れて仕上げます。煮詰め過ぎないように注意しましょう。
step
22盛り付ける際に、きぬさやをあしらいます。
保存の際は、粗熱を取ってから、重箱ではなく、充分に消毒した保存容器に入れて、冷蔵庫で保存しましょう。
おせち料理の準備などで大量に作った場合は、鍋ごと外の軒下などに置いておくとよいです。
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作り置きのコツ・ポイント
- 干し椎茸は、水につけて冷蔵庫で12時間~24時間(一昼夜)ほどかけて戻すと、中までふっくらと戻り、かつ、歯ごたえもあり、そして良い出汁も出て、一番おいしく仕上がります。
- 鶏もも肉は、1)水洗いして水気を拭き取り、2)血合いや黄色い脂を取り除き、3)筋を断ち切ってから調理すると、臭みや雑味が取り除かれ、硬く不快な舌触りもなくなります。
- 普段にんじんの皮をむかないという方も、筑前煮の際は、ぜひ皮をむきましょう。皮付きのままですと、煮込むと薄く皮がはがれてしまい、中途半端にぶら下がったり、他の具材にくっついたりして、気持ち悪い仕上がりになってしまいます。
- 鶏肉は火を通しすぎると硬くなりますので、先に炒めて取り出しておきます。鶏肉の旨味が出た汁に、他の野菜とだし汁を加えて煮込み、最後の味付けの際に戻し入れることで、それぞれの旨味を活かした仕上がりにします。
- にんじんは意外に火が通りやすく、煮くずれしやすいので、ねじり梅の形を崩したくない場合は、手順19で鶏肉と一緒に加えるとよいです。
- 煮込む際は、まず、酒と砂糖だけで煮ます。酒は具材の臭みを飛ばして旨味を引き出します。砂糖は具材を柔らかくする働きがあること、また、しょうゆよりも分子が大きいことから、しょうゆより先に砂糖だけで煮ることで、仕上がりの甘味がきちんと引き立ちます。
- 煮物は、冷める際に味が染み込みますので、具材が柔らかくなったら一旦火を止めて冷まし、もう一度火を入れて仕上げます。最後の炒り煮は、味見をして、お好みの甘辛さと濃さになったら、火を止めます。煮詰め過ぎないように注意しましょう。
アレンジのヒント
- 茶碗蒸しの具材としても活躍します。卵1個あたり、うすくちしょうゆ・みりん各小さじ1/3、だし汁200ml、塩少々(親指と人さし指でつまんだ量)が目安です。
- 卵でとじると、具だくさん親子丼の具材として活躍します。1人前あたり、みりん大さじ2、だし汁・しょうゆ各大さじ1で、筑前煮お玉1杯(90g)を温めて、卵2個でとじるのが目安です。
- 細かく切って、混ぜご飯やちらし寿司の具材にも。
おすすめ食材、ツール
しょうゆはここ2年ほどで、「ヤマサ醤油 鮮度生活 特選丸大豆しょうゆ」に落ち着きました。使い終わりまでずっとしょうゆの色が、おろしたての淡く赤い色、旨味と香りを保つのが、とてもうれしいです。
みりんは、タカラの本みりんを愛用しています。スーパーで安価に入手できて、まろやかな甘味や照りが付くので、ずーっと使用しています。
料理酒はタカラ「料理のための清酒」を愛用、1.8リットルパックで購入しています。塩分が含まれていないこと、また、飲むお酒では抑えられている雑味の中に含まれている、調理には有効な旨味成分を引き出すよう、独自の酵母で造られた清酒ですので、味のバランスが崩れず、ふんわり、まろやかに仕上がります。
料理に使う酒は、ぜひ、アルコール入り、食塩無添加の酒を使いましょう。
酒は、材料の臭みを消したり、材料を柔らかくしたり、さっぱりとした甘味を付けたり、野菜の煮物にコクを付けたりと、その役割はとても大きいです。
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