今回は、安価な鮭のあらを、ほろほろに柔らかく煮付けたレシピをご紹介します。
「鮭のあらは、どうやって煮込んだらいいの?」という問い合わせをいただいた際、「野菜と一緒に炊くならぶり大根と同じ作り方で、野菜は大根よりごぼうが合います。あら単品で炊くのがおすすめで、まぐろのアラの角煮のレシピで、細かく切らず片栗粉は省いて作ります」という旨でお答えしていたんですが、「少し脂臭くなった」「脂が多いせいか味がぼやける」「皮が破れたり身が崩れやすい」というご意見をいただきました。
確かに、鮭のあらは、安価でとても美味しいのですが、スーパーで半額引きなどの特価品を購入すると、少し脂の臭いが勝ったり、また、鮭の皮ははがれやすく、身も柔らかいですので、調理の際に崩れたりしてしまうこともあります。
このような課題をクリアするよう、レシピを書き起こしてみました。
脂が乗った鮭のあらを、単品で圧力鍋で煮て、骨まで柔らかくいただきます。もちろん、ご飯にも、お酒の肴としても、ぴったり合う仕上がりです。
鮭のあらが安価に出回っている際、ぜひ、お試しくださいませ。
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レシピについて
ぶりや、まぐろのあらと同様、しっかりと下ごしらえをすることで、臭みを抜き、日持ちを良くします。血合いや骨がたっぷりあっても大丈夫です。
また、炊く際に、しょうが、そして長ねぎと昆布を加えることで、さらに臭みを抜き、そして旨味を加えています。
一般的な鮭のあら煮よりも控え目の味付けですが、最後に味をしっかりと炒り付けますので、味がよく絡み、日持ち良く仕上がりますよ。
材料
4人分 |
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鮭のあら 400g前後 |
■鮭のあらの下ごしらえ用 |
塩 小さじ1/2 |
水 適量 |
■煮込み用調味料 |
しょうが 大1片(6~7cm) |
長ねぎの青い部分 1/2本分(20cmくらいの長さ1本) |
昆布 10cm×1枚 |
酒 200cc |
しょうゆ 大さじ2 |
みりん 大さじ2 |
砂糖 小さじ2 |
水 150~200cc前後 |
■仕上げ |
しょうがの千切り お好みで |
※野菜と一緒に煮込む際、または、たっぷりの煮汁で丼のようにしていただく際は、しょうゆ、みりん、砂糖の量を1.5倍にして煮込むと良いです。野菜は、大根よりも、ごぼうがとても良く合いますよ。ごぼうは、魚の臭みを取る働きもあります。
8人分 |
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鮭のあら 800g前後 |
■鮭のあらの下ごしらえ用 |
塩 小さじ1 |
水 適量 |
■煮込み用調味料 |
しょうが 大2片(6~7cm×2片) |
長ねぎの青い部分 2本分(20cmくらいの長さ2本) |
昆布 10cm×2枚 |
酒 300cc |
しょうゆ 大さじ3 |
みりん 大さじ3 |
砂糖 大さじ1 |
水 250~300cc前後 |
■仕上げ |
しょうがの千切り お好みで |
※野菜と一緒に煮込む際、または、たっぷりの煮汁で丼のようにしていただく際は、しょうゆ、みりん、砂糖の量を1.5倍にして煮込むと良いです。野菜は、大根よりも、ごぼうがとても良く合いますよ。ごぼうは、魚の臭みを取る働きもあります。
作り方
今回は、節目に分けてご説明します。
1. 鮭のあらの下ごしらえ
2. 煮込み
1. 鮭のあらの下ごしらえ
1 | ![]() 今回はサーモントラウトの半額引きのあらを、2パック、約500g使いました。 調味料は、鮭のあら350g~600g程度でしたら上記4人分、700g~900g程度でしたら上記8人分、1kg前後は4人分の調味料を倍量でOKです。 |
2 | ![]() おおまかな手順は、全体に塩を振り、10分間ほど置いてから、熱湯に浸して全体を白くした後(「霜降り」といいます)、水できれいに汚れを取り除くと、臭みのない仕上がりになります。この下ごしらえが、あらを美味しく仕上げる、一番肝心な手順です。 では、順番にご説明します。 あらは、広口の容器かバット、大きめのボウルなどに、なるべく重ならないように並べ、全体にまんべんなく塩を振ります。 |
3 | ![]() |
4 | ![]() |
5 | ![]() 少し温度を下げることで、鮭の皮が敗れたり、はがれたりすることを防ぎます。また、あらの臭みは、90℃程度の温度のお湯で充分に取れますよ。 |
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7 | ![]() |
8 | ![]() |
9 | ![]() 身が崩れやすいですので、ざるでザバーと受けるのではなく、手でやさしくざるに置くと良いですよ。 これで、鮭のあらの下ごしらえは完了です。 |
2. 煮込み
1 | ![]() しょうがを薄切りにします。 |
2 | ![]() ごぼうと煮込む際は、このタイミングでごぼうを加えます。 しょうがと青ねぎで臭みを取り、昆布で旨味を足します。 |
3 | ![]() |
4 | ![]() 水の量が多過ぎると、煮込んでいる時に身が踊りますので、皮がはがれたり、身がバラバラになってしまいます。 |
5 | ![]() |
6 | ![]() あらに、カマや中骨といった固い部分がなく、細かい骨であれば、ここで火を止めてOKです。また、活力鍋の小では10分でOKというご報告をいただいています。ありがとうございます。 |
7 | ![]() 圧力が抜けるまで、そのまま放置しておきます。 |
8 | ![]() 圧力が抜けたら、ふたを取り、弱火で加熱します。 |
9 | ![]() 煮汁がほとんどなくなり、とろっとした状態まで煮詰めたら、出来上がりです。 |
10 | ![]() |

- 鮭のあらは、霜降りにする際、沸騰したお湯1リットルあたり50~100ccほどの水を加え、90~95℃程度にしてから、鮭を入れると良いです。皮が破れることなく、しっかりと臭みを取ることが出来ますよ。
- 必ずアルコールの入った酒を使って煮込みましょう。酒が沸騰する際に、魚の臭みを一緒に逃がすためです。
- 最後に煮詰める際に、焦げ付かないよう、時々、鍋底からヘラを入れると良いです。
- 保存容器に移して冷蔵庫で保存する際は、しっかり消毒してから使い、しっかり荒熱を取ってから冷蔵庫に入れましょう。
- 冷凍する場合は、1食分ずつ、冷凍用の密封できるフリーザーバッグに入れて、なるべく急速に冷凍しましょう。

- お好みで、赤唐辛子の輪切り(4人分で1本分)を加えて煮込んでも美味しくいただけます。ほんのりピリッとし、また、山椒ともよく合う仕上がりになります。山椒は、いただく際にふりかけましょう。
- 野菜と一緒に煮込む際は、しょうゆ、みりん、砂糖の量を1.5倍にして煮込むと良いです。大根よりも、ごぼうがとても良く合いますよ。
- たっぷりの煮汁で丼のようにしていただく際にも、しょうゆ、みりん、砂糖の量を1.5倍にして煮込みます。その際は、圧力が抜けたら出来上がりです。
- 冷めても美味しくいただけますので、お弁当にもぴったりです。詰める際は、冷めてから詰めましょう。


単身赴任後、ざるとボウルは、「柳宗理 ステンレスボール&パンチングストレーナー」を愛用しています。
ざるの目がパンチングなので、とても洗いやすく丈夫です。また、想像していたよりも、ずっと水切れが良いので、今回のような魚の下ごしらえにはもちろん、野菜や麺類の湯切り、煮汁をこすなど、とても重宝しています。
ステンレスボール&パンチングストレーナーのセットとは別に、手付きパンチングストレーナー23cmを持っています。
魚の下ごしらえや、野菜や春雨などの水切りにはもちろん大活躍しているのですが、上記写真のように、トマトソースを煮る際など、油がはねる調理は、これを鍋の上から被せて、はねを防止しています。
ステンレスなので、もちろん熱に強く、汚れがサッと落ちるのも、とても重宝しています。