冷蔵5日/冷凍1か月
今日は、豚の角煮のレシピをご紹介します。
リクエストを多数いただいていた旧式のレシピを、改めて整理したものです。旧式を作った時から15年近く経ったため、近年流通している豚肉の臭みが格段に減ったことから、材料、手順をいくつか見直しています。
豚肉を最初にしっかりと焼くことで、旨味をギュッと閉じ込めるとともに、余分な脂を落とします。
そして、先にしょうゆを絡めて煮ることで、豚肉に味をしっかりとしみ込ませてから、昆布とともに、じっくりと土鍋で煮込みます。
煮込み鍋は、土鍋がおすすめです。少ない煮込み時間でも、余熱でじんわりと火が通り、ホロホロ柔らかく仕上がります。
旨味たっぷり、甘辛く、ほろほろとろける柔らかさに仕上がります。ぜひ、お試しくださいませ。
レシピについて
豚肉の表面を焼いてから、先にしょうゆで煮て、酒と砂糖でしっかりと味付けしてから煮込みます。
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材料
4人分
- 豚肉ブロック(バラまたは肩ロース ※1)800g
- だし昆布 20g(10cm長さ2~3枚目安 ※2)
- 水 600ml
- 酒 200ml
- しょうゆ 50ml(大さじ3+小さじ1)
- 砂糖 大さじ2+1/2
- ■お好みでどうぞ
- 大根 1/2本(500g目安)
- 卵 4個
(※1)バラ肉はよりジューシーに、肩ロース肉は脂控えめの芳醇な仕上がりです。お好みでどちらを使っても構いません。
(※2)煮込んだあとの昆布はお召し上がりいただけます。だし昆布が手に入りにくい場合は、昆布だしの素 小さじ2で代用するとよいです。
8人分
- 豚肉ブロック(バラまたは肩ロース ※1)1600g
- だし昆布 40g(10cm長さ4~6枚目安 ※2)
- 水 1200ml
- 酒 400ml
- しょうゆ 100ml(大さじ6+小さじ2)
- 砂糖 大さじ5
- ■お好みでどうぞ
- 大根 1本(1000g目安)
- 卵 8個
(※1)バラ肉はよりジューシーに、肩ロース肉は脂控えめの芳醇な仕上がりです。お好みでどちらを使っても構いません。
(※2)煮込んだあとの昆布はお召し上がりいただけます。だし昆布が手に入りにくい場合は、昆布だしの素 小さじ4で代用するとよいです。
作り方
豚肉だけを煮込んでもおいしく仕上がりますが、お好みで大根や卵を加える場合は、下記手順をご参照ください。
これらの手順は、「豚の角煮の作り方」手順2~7で、豚肉を焼き下味を付けている間に行うと要領が良いですが、無理しない程度に対応しましょう。
大根の下ごしらえ
step
1大根は3cm程度(指2本分の幅目安)の厚さに切ってから、厚めに皮をむき、半分に切ります。
大根を柔らかく炊く場合、せっかく柔らかく仕上げても、大根の皮のすぐそばにある筋が舌触りを悪くするので、皮は厚めにむいておきましょう。
大根の皮は、刻んでみそ汁の実にしたり、漬物、きんぴら、根菜汁、炒り高野などにするとおいしくいただけます。
step
2大根の下ゆでをします。鍋に大根を並べ、大根がかぶる程度の水を入れて、ふたをして強火にかけます。
この時、米のとぎ汁、もしくは、水+小さじ1のぬか、水+大さじ1の生米を加えてゆでると、大根のアクがよく取れ、臭みが抜けます。吹きこぼれやすいので注意しましょう。
step
3沸騰したら弱めの中火にし、10分ほど煮て、竹串が少し抵抗して刺さる程度に、硬めにゆでて、水に放ちます。
水に浸して冷ますことで、より大根のアクと臭みを抜くことができます。
卵の下ごしらえ
step
1卵をゆでます。まず、卵のとがっていないほうに画鋲やキリで浅く穴をあけます。
ゆでている間の圧力を逃すために、穴をあけます。こうすることで、ゆでている間に内側の圧力が膨張し、卵が割れてしまうことを防ぎます。
卵のとがっていないほうは、卵を覆っている膜と、殻との間に隙間がありますので、ゆでている間に卵が飛び出ることが少ないです。
冷蔵庫から出してすぐの卵で構いません。
写真ではワインオープナーを使っています。スクリュー半巻き分差し込んだ程度の穴を開けています。卵に穴を開けるツールがあれば、ぜひそちらを使いましょう。
step
2鍋に卵を並べ、ひたひたに水を注ぎ、酢(分量外:水1リットルあたり大さじ1)を入れて、
ここでいう、ひたひたの水とは、卵が少しだけ水から出ている状態です。写真は直径22cmのフライパンに、水1リットルを入れています。卵8個でも同量の水で問題ありません。
酢には2つの役割があります。
1つは、たんぱく質を固まらせる働きがありますので、もし卵の殻が割れて白身が飛び出してきても、すぐに固め、それ以上卵が飛び出ないようにします。
もうひとつは、卵の殻を柔らかくする働きがありますので、卵の殻がむきやすくなります。
step
3ふたをして中火で加熱します。沸騰したら火を止め、そのまま7分蒸らします。
step
4氷水にとって急冷し、3分程度冷やします。
氷水につけ、手でさわれる程度に粗熱が取れたら、卵全体に軽くヒビを入れておいて冷やしておくと、さらに殻がむきやすくなります。
殻にヒビを入れる際は、平らなところで転がすようにすると、白身が傷つきにくいです。
step
5殻をむき、水にさらします。こうすることで、硫黄臭さが取れます。
豚の角煮の作り方
step
1豚肉は5~6cm幅(指4本分の幅目安)に切ります。
冷蔵庫から出してすぐの状態で構いません。
豚肉は、調理が進むにつれ、どんどん小さくなりますので、仕上がりイメージよりも1.5~2倍程度大きめのサイズに切るとよいです。
step
2豚肉を焼きます。フライパンを中火にかけ、2分ほど熱し、手順1の豚肉を並べ、それぞれの面を、4~5分ずつを目安に焼きます。
バラ肉を使用する場合は、空焼きで構いません。肩ロース肉を使用する場合は、サラダ油小さじ2(分量外/4人分、8人分とも同量)を薄くひき、中火にかけます。
焼くことで、肉の旨味をしっかりと閉じ込めるとともに、余分な脂を落とします。赤い色や白い色がなくなるまで、しっかりと焼きましょう。しっかり焼くと硬く仕上がりそうなイメージがありますが、全くそんなことはありません。むしろ焼きが足りないと、特に白い脂肪の部分は柔らかくなりません。
step
3余分な脂は切ります。脂は写真のようにざるでこすと、ラードとして利用できます。お好みでどうぞ。
冷蔵庫で2週間、冷凍庫で1か月ほど日持ちします。これで中華風の炒めものや炒飯を作るとおいしく仕上がります。
脂を捨てる場合、くれぐれも排水溝にそのまま捨てるのだけはやめましょう。キッチンペーパーか新聞紙で吸い取ってから捨てましょう。
step
4豚肉を煮込み用の鍋に入れ、しょうゆを加えて絡めます。粗熱が取れるまで、そのまま15分ほど休ませます。
しょうゆを絡めて冷ますことで、しっかりとしょうゆ味をしみ込ませます。
step
5弱火にかけます。煮汁が沸騰したら、さらに1分ほど煮ます。
ふたは、してもしなくても、どちらでも構いません。
しょうゆで肉汁を引き出した濃い煮汁で、しょうゆ味を、さらにじっくりとしみ込ませます。
step
6酒を加え、中火にします。煮汁が沸騰したら、さらに4~5分ほど煮ます。
酒は、だし代わりです。酒をたっぷりと入れて煮込むことで、肉のクセを飛ばし、旨味をより芳醇にします。
step
7砂糖を加え、全体になじませます。
火加減は中火のままで構いません。
step
8だし昆布を上にかぶせ入れ、その上から大根、卵を並べ入れ、水を加え、アク取りシートか落としぶたを乗せ、ふたをします。
水の分量は、大根、卵を加えた際も変えません。煮込んでいるうちに、さらに大根と豚肉から水分が出るため、問題ありません。
step
9沸騰したら弱火にし、30分ほど煮込みます。
step
10落としぶたを取り、上下を返すように底からかき混ぜて、
アク取りシートを被せている場合、全体のアクを拭っておくとよいです。
step
11ふたをして、再び沸騰したら火を止めます。粗熱が取れるまで、このまま置きます。2~3時間ほど余熱でじっくりと火を通し、だんだん冷まして仕上げます。
煮物は、冷める際に味がしみ込みます。余熱でじっくりと火を通し、自然に冷まして仕上げます。
step
12冷めてから、いただく際に再び温めることで、より味がしっかりとしみ込み、ホロホロとろける仕上がりになります。
step
13鍋ごと保存すると、鍋が傷んだり、変色したり、味が染み付いて抜けなくなることもあります。鍋ごとではなく、保存容器に移して冷蔵庫で保存しましょう。
保存の際は、粗熱を取ってから、充分に消毒した保存容器に入れて冷蔵庫で保存します。
汁気が多い仕上がりです。周りを水で冷やしながら、中身が空気にふれるようにかき混ぜて急冷することで、食中毒を防止することができます。水で冷やして10~15分ほど置いておくと、粗熱が取れます。
冷えると脂が固まりますが、神経質に取り除く必要はありません。脂は温めると溶けて旨味になりますので、一緒に温めるとよいです。
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作り置きのコツ・ポイント
- 煮込み鍋は、土鍋がおすすめです。少ない煮込み時間でも、余熱でじんわりと火が通り、ホロホロ柔らかく仕上がります。
- 豚肉は、余分な脂が抜けることでどんどん小さくなりますので、仕上がりイメージよりも1.5~2倍程度大きめのサイズに切るとよいです。
- 豚肉は、赤い色や白い色がなくなるまで、しっかりと焼きましょう。
- 煮物は冷める時に味がしみ込みます。いったん粗熱が取れるまで置き、いただく際に再び温めるとよいです。
- 鍋ごと保存すると、鍋が傷んだり、変色したり、味が染み付いて抜けなくなることもあります。鍋ごとではなく、保存容器に移して冷蔵庫で保存しましょう。
- 保存の際は、粗熱を取ってから、充分に消毒した保存容器に入れて冷蔵庫で保存します。
- 汁気が多い仕上がりです。周りを水で冷やしながら、中身が空気にふれるようにかき混ぜて急冷することで、食中毒を防止することができます。水で冷やして10~15分ほど置いておくと、粗熱が取れます。
アレンジのヒント
- いただく際に添えておいしい具材や調味料:練り辛子/白髪ねぎ(ねぎの白い部分を、白髪のように縦にごく細くせん切りにしたもの)
- 煮汁の活用法:炊き込みご飯/炒め物の味付け/煮玉子/根菜の煮物/おからの煮物/切干大根の煮物
おすすめ食材、ツール
しょうゆはここ2年ほどで、「ヤマサ醤油 鮮度生活 特選丸大豆しょうゆ」に落ち着きました。使い終わりまでずっとしょうゆの色が、おろしたての淡く赤い色、旨味と香りを保つのが、とてもうれしいです。
料理酒はタカラ「料理のための清酒」を愛用、1.8リットルパックで購入しています。塩分が含まれていないこと、また、飲むお酒では抑えられている雑味の中に含まれている、調理には有効な旨味成分を引き出すよう、独自の酵母で造られた清酒ですので、味のバランスが崩れず、ふんわり、まろやかに仕上がります。
料理に使う酒は、ぜひ、アルコール入り、食塩無添加の酒を使いましょう。
酒は、材料の臭みを消したり、材料を柔らかくしたり、さっぱりとした甘味を付けたり、野菜の煮物にコクを付けたりと、その役割はとても大きいです。
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