冷蔵5日/冷凍1か月
今日は、じっくり煮込んで作る、トンポーロー(東坡肉)のレシピをご紹介します。
いろいろな作り方を何度も何度も試した中で、簡単な手順で、一番柔らかく仕上がり、作り置いてもおいしくいただける方法をご紹介します。ひと口含むと、たっぷりの香りと、豚肉の旨味が、ホロホロと溶けるように、ふわあぁっと広がります。
豚肉を、ゆっくり、じっくりと煮込んで作ります。焼き目は付けず、煮汁を煮詰めてソースにしますので、失敗なく作りやすいです。
ふわふわ、とろとろの豚肉を、存分に味わうことが出来る一品です。
レシピについて
豚かたまり肉を、2回煮込んで作ります。一度じっくりと煮込み、いったん冷ましてから、調味料を加えてさらに煮込みます。
旨味と香りたっぷりの煮汁を活用して、ソースを作ります。
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材料
4人分
- 豚肉ブロック(バラまたは肩ロース ※1)800g
- 水(硬水 ※2) 2000ml
- ■煮込み用調味料
- 紹興酒 100ml
- しょうゆ 50ml(大さじ3+小さじ1)
- 砂糖 大さじ2
- オイスターソース 大さじ1
- しょうが 3~4cm角1片
- 八角 2個
- 花椒(ホール) 小さじ1/2
- ■あると便利な調理道具
- アク取りシート 1枚
(※1)バラ肉はよりジューシーに、肩ロース肉は脂控えめの芳醇な仕上がりです。お好みでどちらを使っても構いません。なお、1200g程度までこの調味料の分量で作れます。
(※2)硬水が入手できない、体質が合わずお腹を下してしまう方は、軟水で構いません。硬水は、入手しやすく飲料水としても飲みやすい硬度200~300がおすすめです。硬度1000以上の超硬水を使用しても問題ありませんが、水そのものの味にクセがあるため、スープの味に若干クセが出ます。なおこのページの写真は硬度1468のコントレックスを使用しています。
8人分
- 豚肉ブロック(バラまたは肩ロース ※1)1600g
- 水(硬水 ※2) 3000ml
- ■煮込み用調味料
- 紹興酒 100ml
- しょうゆ 大さじ6(90ml)
- 砂糖 大さじ3
- オイスターソース 大さじ1+1/2
- しょうが 4~5cm角1片
- 八角 3個
- 花椒(ホール) 小さじ2/3
- ■あると便利な調理道具
- アク取りシート 1枚
(※1)バラ肉はよりジューシーに、肩ロース肉は脂控えめの芳醇な仕上がりです。お好みでどちらを使っても構いません。なお、2000g程度までこの調味料の分量で作れます。
(※2)硬水が入手できない、体質が合わずお腹を下してしまう方は、軟水で構いません。硬水は、入手しやすく飲料水としても飲みやすい硬度200~300がおすすめです。硬度1000以上の超硬水を使用しても問題ありませんが、水そのものの味にクセがあるため、スープの味に若干クセが出ます。なおこのページの写真は硬度1468のコントレックスを使用しています。
作り方
step
1豚肉は5~6cm(指4本分の幅目安)角に切ります。
煮込むと、どんどん小さくなりますので、仕上がりイメージよりも1.5~2倍程度大きめのサイズに切るとよいです。
step
2煮込み用の鍋に、手順1の豚肉、水を入れます。
水の量は、豚肉に水が完全にかぶる程度です。水が完全に豚肉にかぶる状態で煮込むことで、パサつかず、柔らかくしっとりと仕上がります。
おすすめの煮込み鍋は、土鍋です。長い時間ゆっくりと、やわらかく火が通るためです。
写真は、長谷園「かまどさん」五合炊きを使用しています。
step
3ふたをして強火にかけ、沸騰したら弱火にし、アクを時々すくいながら、1時間煮込みます。
肉を煮る際、硬水を使うと、硬水に含まれる豊富なカルシウムが、肉のたんぱく質と結びつきます。この作用で、たんぱく質がほぐれ、肉の硬さが柔らかくなります。
また、たんぱく質がほぐれますので、軟水を使うよりもアクがたっぷりと抽出され、臭みが吸着します。時々アクをすくいながら煮込むことで、臭みのない、すっきりとした味わいに仕上がり、煮込むほど肉が柔らかくなります。
鍋につきっきりでアクをすくう必要はありません。最初の沸騰から5分程度の間が、一番アクが出ますので、この時にすくい取り、あとはふたをしてほったらかしておき、時々様子を見る程度でよいです。
水は豚肉が完全にかぶる量をキープしましょう。もし少なくなっていたら、豚肉がかぶる程度まで、水を足しましょう。
「肉を煮込むには硬水が良い、だったら和食の豚の角煮や肉じゃがも硬水を使う」というのはおすすめしません。硬水はミネラル分が多いため、昆布やかつおの表面をミネラルが覆ってしまい、出汁の旨味が出にくくなります。また、アクがたくさん出ますので、薄切り肉を使ったり、出汁の風味を活かす和食は、硬水を使うと、どうがんばっても結果として、雑な仕上がり────つまりアクが浮き気味で出汁が濁り、旨味が少なく、いまひとつ────な仕上がりになってしまいます。
中国大陸は、硬水の地域が多いです。この硬水で肉を煮込むと柔らかくなり、香辛料を活かした煮込み料理も旨い。そして日本の軟水では、出汁の丸みのあるすっきりとした旨さが活き、たとえば薄切り肉をしゃぶしゃぶしても旨い。香辛料はいただく際に添える。これらは、それぞれの土地と水の、理にかなった調理法やと思います。
step
4火を止め、粗熱が完全に取れて室温程度になるまで、ふたをしたまま放置して冷まします。
夏場など、室温が高い(25度以上)場合は、放置時間は4時間を超えないようにしましょう。それ以上置く場合は、いったん充分に消毒した保存容器に移し替えて、冷蔵庫で保存します。
step
5しょうがは皮ごと2~3mm幅にスライスします。多少厚めでも構いません。
皮ごと使いますので、よく洗ってから切りましょう。
step
6手順4の鍋に、手順5のしょうが、煮込み用調味料をすべて加えて、アク取りシートを乗せます。
アク取りシートは、余分なアクや脂を取るだけではなく、落としぶたの役割もあります。シートが豚肉を覆った状態で煮込むことで、しっとりと仕上がります。
step
7ふたをして強火にかけ、沸騰したら弱火にし、1時間煮込みます。
step
8火を止めます。アク取りシートは取り除きます。
竹串がスッと通る程度に、柔らかく仕上がります。
step
9この時点で保存することが出来ます。保存期間は冷蔵5日、冷凍1か月目安です。
鍋ごと保存すると、鍋の素材によっては、鍋が傷んだり、変色したり、味が染み付いて抜けなくなることもあります。鍋ごとではなく、できるだけ保存容器に移して冷蔵庫に入れることをおすすめします。
保存容器は、充分に消毒して使用しましょう。保存容器の容量は、4人分で1.8リットル程度が目安です。
周りを水で冷やしながら、中身が空気にふれるようにかき混ぜて急冷することで、食中毒を防止することができます。水で冷やして10~15分ほど置いておくと、粗熱が取れます。
仕上げ
煮汁を利用し、豚肉の旨味と、芳醇な香りがたっぷりと詰まったソースを作ります。
ソースをつけると、もちろんおいしくいただけますが、ぜひ、ソースなしも、ひと口味わっていただけると幸いです。たっぷりの香りと、豚肉の旨味がふわあぁっと広がります。
step
1ソースを作ります。4人分で1カップ程度(200ml/おたま2杯目安)の煮汁を、フライパンに入れます。
step
2強めの中火にかけ、沸騰したら、時々かき混ぜながら、泡立ちが大きくなるまで煮詰めます。
出来たてはサラサラした状態ですが、冷めるにつれ、とろみが付きます。
step
3皿にトンポーローを盛り付け、上からソースをかけます。
step
4ソースは保存できます。冷えると表面がところどころ固まりますが、温めると元に戻ります。
温め直し
step
1煮汁とともに鍋かフライパンに入れ、ふたをして中火にかけて加熱します。ふつふつとしたら弱火にし、5~6分ほどゆっくりと温めます。
冷えると脂が固まりますが、神経質に取り除く必要はありません。脂は温めると溶けて旨味になりますので、一緒に温めるとよいです。
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作り置きのコツ・ポイント
- 水の量は、豚肉に水が完全にかぶる程度です。水が完全に豚肉にかぶる状態で煮込むことで、パサつかず、柔らかくしっとりと仕上がります。
- 鍋につきっきりでアクをすくう必要はありません。最初の沸騰から5分程度の間が、一番アクが出ますので、この時にすくい取り、あとはふたをしてほったらかしておき、時々様子を見る程度でよいです。
- アク取りシートは、余分なアクや脂を取るだけではなく、落としぶたの役割もあります。シートが豚肉を覆った状態で煮込むことで、しっとりと仕上がります。
- 保存の際は、粗熱を取ってから、充分に消毒した容器に入れて、冷蔵庫で保存しましょう。
- 周りを水で冷やしながら、中身が空気にふれるようにかき混ぜて急冷することで、食中毒を防止することができます。水で冷やして10~15分ほど置いておくと、粗熱が取れます。
アレンジのヒント
- 一緒に加えておいしい香辛料(手順6で加えます):にんにく/シナモン
- いただく際に添えておいしい具材や調味料:青梗菜(ゆで)/香菜/練り辛子/白髪ねぎ(ねぎの白い部分を、白髪のように縦にごく細くせん切りにしたもの)
おすすめ食材、ツール
しょうゆはここ2年ほどで、「ヤマサ醤油 鮮度生活 特選丸大豆しょうゆ」に落ち着きました。使い終わりまでずっとしょうゆの色が、おろしたての淡く赤い色、旨味と香りを保つのが、とてもうれしいです。
私の使っているオイスターソースは、李錦記一択です。オイスターソースは中華調味料で、グルタミン酸の宝庫です。これをイノシン酸の旨味を含む肉料理や魚料理に加えると、こめかみが痛くなるほどの旨味になります。李錦記はおいしく安定の仕上がりになります。
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