今回は、丸いフライパンでふわっふわの出汁巻き卵が出来るレシピをご紹介します。
出汁巻き卵は、とても美味しいですよね。
でも、「うまく巻けない」「ふわふわにならない」「だし汁と卵が分離する」「冷めたらおいしくない」といった、さまざまな難関があります。
また、今の私のように、「そもそも玉子焼き用のフライパンがない」というご家庭もあると思います。
でも、大丈夫です。一つひとつ、解消していきましょう。
フライパンで一切巻かず、ラップと巻きすを使う、とてもズボラな作り方ですが、きれいに、ふわふわに仕上がりますよ。ぜひ、お試しくださいませ。
「玉子焼き用のフライパンを持っているけど、なんかうまく仕上がらない……」という方も、ご参考にしていただけますと幸いです。
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レシピについて
関西風の甘くない味付けです。
また、私の「薄味レシピ」をお好みの方には、この味付けは、特に出来立ては、少し濃い目にお感じになるかもしれません。
出汁巻き卵は、冷めると非常に味が薄くなりますので、作り置き用に、冷めても美味しくいただけるよう、少し濃い目の味付けにしています。
温かいうちにお召し上がりになる場合は、お好みで、大根おろしを添える、また、「いやこれは薄いよ」という場合は、大根おろしにしょうゆを垂らしたものを添えると、ちょうど良い塩梅になりますよ。
材料
卵4個分 |
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卵(Lサイズ) 4個 |
だし汁 100cc |
小麦粉※ 小さじ2 |
薄口しょうゆ(なければ濃口しょうゆでも可) 小さじ2 |
みりん 小さじ1 |
サラダ油 大さじ1 |
※小麦粉アレルギーの方は、小さじ1の片栗粉で問題なく代用できます。
※卵8個分は、すべての材料を倍量でOKです。その場合、4個分ずつ2回に分けて作ると失敗しません。
卵6個分 |
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卵(Lサイズ) 6個 |
だし汁 150cc |
小麦粉※ 大さじ1 |
薄口しょうゆ(なければ濃口しょうゆでも可) 大さじ1 |
みりん 大さじ1/2 |
サラダ油 大さじ1.5 |
※小麦粉アレルギーの方は、大さじ1/2の片栗粉で問題なく代用できます。
※卵3個分は、すべての材料を半量でOKです。
作り方
基本の作り方と、調理器具の有無による作り方のバリエーション、洗い物についてご説明いたします。
1. 基本の作り方
2. 菜箸しかなく、作っている途中の見た目がぼそぼそになる
3. 巻きすを滅多に使うことがなく、衛生的に不安がある場合 または、耐熱ラップが無い場合や、巻きすより小さいサイズのラップしかない場合
4. 卵を扱った際の洗い物について
1. 基本の作り方
1 | 卵にしょうゆとみりんを混ぜ合わせます。 菜箸をボウルの底に付けるようにして、卵の白身を断ち切るように、大きく前後に動かすと良いです。写真のように、2膳以上使うと、やりやすいですよ。関西の家で作っていた際は、4膳くらい使っていました。 だったら泡立て器を使えば良いのでは?と思われるかもしれませんが、出汁巻き卵を作る際の卵は、混ぜ過ぎると、ぼそぼその仕上がりになってしまいます。泡立て器ではなく菜箸を使い、混ぜる時間は、25秒程度、30秒以内にしましょう。8を3つ数える程度が丁度良いです。 |
2 | 別のボウルに、小麦粉を入れ、その上からだし汁を少しずつ入れながら、よく混ぜ合わせて、ダマにならないように、だし汁に小麦粉を溶かします。 このように、少し小麦粉を加えることにより、だし汁が逃げにくく、卵にだし汁をうまく閉じ込めることが出来ますので、だし汁と卵が分離しづらくなり、よりふわふわの仕上がりになります。また、冷凍保存しても、ぼそぼそ・スカスカになりにくく、美味しくいただけますよ。 |
3 | 手順1と手順2を、ざっと混ぜ合わせます。 ここでも、混ぜ過ぎないようにしましょう。 |
4 | ざるでこします。 ひと手間かかりますし、洗い物も増えますが、ざるでこすことにより、卵のカラザ(白いひも状のもの)や、溶けなかった小麦粉などが取り除かれ、よりなめらかな口当たりになります。 |
5 | もし、白身だけたくさん残ってしまったりした場合は、ヘラを使って、なでつけるようにして、こすと良いですよ。 |
6 | 巻きすの上に、ラップをひいておきます。 ラップは、巻きすの幅よりも、一回り大き目くらいが良いです。 今回使うラップは、耐熱温度が140℃以上のもの(サランラップやクレラップは、もちろんOKですよ)、巻きすより幅が広いものを使用しましょう。耐熱温度がそれよりも低い場合は、溶けてしまう恐れがあります。 耐熱温度が140℃未満、巻きすより幅が狭いラップをお使いの場合は、3. 巻きすを滅多に使うことがなく、衛生的に不安がある場合 または、耐熱ラップが無い場合や、巻きすより小さいサイズのラップしかない場合をご参照くださいませ。 |
7 | フライパンを、中火より少し強めにかけます。火加減は、写真くらいです。 弱火では、火の通りが遅く、結果として固く仕上がること、強火ではもちろん焦げてしまうことから、これくらいの火加減が良いです。 |
8 | フライパンにサラダ油を入れ、キッチンペーパーで全体を塗るようにまんべんなく伸ばします。 卵液は、結構かさがありますので、横のほうまでしっかり広げて塗っておきましょう。 |
9 | ここでフライパンに卵液を注ぎ入れるのですが、ここまで、卵液をこしてから、2~3分ほど経ってしまっていると思います。 小麦粉が沈んでいることがありますので、念のため、こした卵液は、ざっと全体を混ぜておきましょう。ざっとでOKです。もちろん、混ぜ過ぎは厳禁です。 |
10 | 卵液をフライパンに全部注ぎ入れます。 |
11 | 卵液をフライパンに全部注ぎ入れて、8数えたら、 |
12 | ヘラを使って、大きく全体を、かき混ぜます。 |
13 | かき混ぜながら、さらに8数えたら、ここで火を止めます。 余熱で、さらに8数えながら、大きくかきまぜます。 大き目の、完全に固まらない、柔らか目のスクランブルエッグを作るイメージです。 |
14 | ヘラを使って、手早く端に寄せます。 オムレツを作るわけではないので、きれいな形に固める必要はありません。 |
15 | 焼けた卵を、巻きすの上の、少し手前側に乗せます。 |
16 | 手前から、巻いていきます。 |
17 | 端はラップを折って、側面の形を整えるようにして、巻きましょう。 |
18 | 輪ゴムで2~3か所を、とめます。 |
19 | ラップの側面に、竹串で穴を開けて、 |
20 | 余分な汁気と空気を逃がします。 このまま粗熱が取れるまで、寝かせて置いておきましょう。これで出来上がりです。 すぐにいただく場合は、5~6分ほど待つと、形が整います。それから切り分けましょう。 |
21 | 切り分けたものを冷蔵保存する場合は、よく消毒した保存容器に入れ、冷蔵庫で保存します。 |
22 | 冷凍保存する際は、切り分けた1つ1つ、もしくは1食分ずつを、ぴっちりとラップに包み、フリーザーバッグに入れて、なるべく空気を抜き、封をぴっちりと締めてから、冷凍しましょう。 いただく際は、自然解凍または流水で解凍でOKです。あたためはラップを取り除いてから電子レンジかオーブントースター、袋ごとなら沸騰したお湯で5分ほど温めると良いですよ。 |
2. 菜箸しかなく、作っている途中の見た目がぼそぼそになる
大丈夫です。問題ありません。きれいに仕上がりますよ。
冒頭の写真は、この「菜箸ぼそぼそ版」で作ったものです。
1 | 手順は、「1. 基本の作り方」の手順11まで全く同じです。 卵液をフライパンに全部注ぎ入れて、8数えたら、 |
2 | 全体を大きくかき混ぜるようにして、炒ります。 |
3 | かき混ぜながら、さらに8数えたら、ここで火を止めて、余熱で、さらに8数えながら、大きくかきまぜます。 大き目の、完全に固まらない、柔らか目の炒り卵を作るイメージです。 |
4 | 巻きすの上に乗せます。なるべく少し手前側に乗せましょう。 |
5 | 手前から、巻いていきます。 このとき、全体を包み込むように巻くと良いですよ。 |
6 | あとの手順は、「1. 基本の作り方」と同じです。 端はラップを折って、側面の形を整えるようにして、巻きましょう。 |
7 | 輪ゴムで2~3か所を、とめます。 |
8 | ラップの側面に、竹串で穴を開けて、 |
9 | 余分な汁気と空気を逃がします。 このまま粗熱が取れるまで、ねかせて置いておきましょう。これで出来上がりです。 |
10 | すぐにいただく場合は、5~6分ほど待つと、形が整います。 作っている途中は、ぼそぼそしていましたが、写真のように、きれいに仕上がり、崩れず切り分けることが出来ますよ。 |
3. 巻きすを滅多に使うことがなく、衛生的に不安がある場合 または、耐熱ラップが無い場合や、巻きすより小さいサイズのラップしかない場合
大丈夫です。
滅多に使わない巻きすは、一度洗って乾かしてから、消毒して使うと良いです。
耐熱ラップが無い場合や、巻きすより小さいサイズのラップしかない場合は、巻きすの周りにラップを巻くと良いですよ。
1 | 巻きすの表面を、アルコールで消毒します。念のため両面消毒しておいても良いですね。 |
2 | キッチンペーパーで、端まで、全面きれいに拭きます。 巻きすより大きな、耐熱温度140℃以上のラップがある場合は、「1. 基本の作り方」の手順6に戻り、あとは同じ手順で進めます。 |
3 | それぞれの手順で、焼いた卵を、直接巻きすの手前に乗せたら、 |
4 | 巻きすでくるくると巻いて、 |
5 | 巻きすの周りにラップを巻き付けて、形を固定します。 もし固定できない場合は、輪ゴムで2~3か所、とめると良いです。 形を固定したら、いったんそのまま縦に傾けて、余分な汁気と空気を逃がします。 |
6 | このまま粗熱が取れるまで、ねかせて置いておきましょう。これで出来上がりです。 作り置きとして保存する場合は、このまま、粗熱が取れたら、冷蔵庫に入れましょう。 すぐにいただく場合は、5~6分ほど待つと、形が整いますので、切り分けていただきます。 |
4. 卵を扱った際の洗い物について
卵は、たんぱく質です。
たんぱく質は、時間が経ったり、お湯で洗ったりすると、汚れが凝固し、落ちにくくなります。
一見、液体ですので、すぐに汚れが落ちそうですが、時間が経つとこびりつきますので、出来るだけすぐに洗うようにしましょう。
また、冬場など、お湯で洗う場合、使ってすぐの調理器具でしたら、ほとんど問題ありませんが、なるべく水で事前に軽く落としておいたり、布巾やキッキンペーパーで拭いてから洗ったほうが、汚れが落ちやすいです。
食洗機をお使いの場合は、特に注意しましょう。
これは、たんぱく汚れの共通点ですので、豆腐、魚の血合い、牛乳、ひき肉などを扱った場合も、同様です。
特にこのレシピは、卵液に油分を含みませんので、一見すぐに落ちそうですが、ご留意いただければ幸いです。
- 出汁巻き卵を作る際の卵は、混ぜ過ぎると、ぼそぼその仕上がりになってしまいます。泡立て器ではなく菜箸を使い、混ぜる時間は、25秒程度、30秒以内にしましょう。8を3つ数える程度が丁度良いです。
- 今回使うラップは、耐熱温度が140℃以上のもの、巻きすより幅が広いものを使用しましょう。耐熱温度がそれよりも低い場合は、溶けてしまう恐れがあります。耐熱温度が140℃未満、巻きすより幅が狭いものは、3. 巻きすを滅多に使うことがなく、衛生的に不安がある場合 または、耐熱ラップが無い場合や、巻きすより小さいサイズのラップしかない場合をご参照くださいませ。
- 中火より少し強めの火加減が良いです。弱火では、火の通りが遅く、結果として固く仕上がること、強火ではもちろん焦げてしまうためです。
- 保存容器にて保存する際は、容器をしっかり消毒してから使いましょう。冷凍保存する際は、切り分けた1つ1つ、もしくは1食分ずつを、ぴっちりとラップに包み、フリーザーバッグに入れて、なるべく空気を抜き、封をぴっちりと締めてから、冷凍しましょう。
- 色々な具材を混ぜ込んでも美味しく出来ます。ゆでたほうれん草、焼きのり、炒めた鶏ひき肉などがよく合います。もちろん明太子も合いますが、明太子は作り置きには向きませんので、ご注意くださいませ。
- ひじきたっぷり炒り高野を混ぜ込んでも、とても美味しくいただけます。卵4個あたり、炒り高野大さじ山盛り1目安です。その場合、しょうゆ、みりんは要りません。
- 冷めても美味しく、汁がにじみ出にくいですので、お弁当にもよく合います。粗熱を取ってから詰めましょう。
こちらは、愛用品のゴムべらです。スケッパーの刃先のような薄さ、弾力性としなやかさがあり、今回のように卵液をこしたり、また、耐熱温度が200℃なので、フライパンで具材を炒める調理も、木ベラ代わりに炒め・かき混ぜに使え、また、こびりつきがちな調味料も、熱いうちに根こそぎ残らずいただくことができる、素晴らしい逸品です。
お菓子作りの際にも大活躍します。ケーキの種や溶かしたチョコレートなどは、本当に一切ボウルに残りません。
単身赴任の際、子供たちの強いリクエストにより、関西の家に置いてきたのですが、色々と不便だっため、東京でも購入し、とても便利に使っています。